ペンギン先生のブログ

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文節どうしの関係

【目次】

・文節どうしの関係とは

・文節どうしの関係は全部で6つのパターンに分類できる

・主語-述語の関係

・修飾-被修飾の関係

・並立(対等)の関係

・補助-被補助の関係

・接続-被接続の関係

・独立の関係

 

 

前回のブログで、一つの文節は必ずひとつの役割(はたらき)を持つことを解説しました。
今回はもう一段上の学習をしましょう。

それは、二つの文節の間にどのような関係が成り立つかということです。

全部で以下の6つのパターンに分類できます。

① 主語-述語の関係

② 修飾-被修飾の関係

③ 並立(対等)の関係

④ 補助-被補助の関係

⑤ 接続-被接続の関係

⑥ 独立の関係

一つずつ解説します。

1.主語-述語の関係

一つの文の中で、述語となる文節があり、その主体である文節が主語になっている関係です。

例えば、「太郎君が校庭でボールを投げる。」という文があり、まずは文節分けすると

「太郎君が / 校庭で / ボールを / 投げる。」と4つの文節に分けられます。この文には倒置も省略もないので、最後の文節「投げる」が述語になります。

この「投げる」という動作の主体は太郎君であり、「太郎君が」の文節が主語となります。

このとき「太郎君が」(主語)と「投げる(述語)」の関係を、主語-述語の関係といいます。

 

2.修飾-被修飾の関係

」という漢字の意味が分かりますか?

「かぶる」という意味で覚えるのではなく、ここでは受け身「~れる・られる」の意味だと理解してください。被害(害を受ける)とか被告(告発される)といった熟語の「」です。

つまり、修飾-被修飾とは、「修飾する」と「修飾される」との関係のことを言います。

例文で示します。

「美しい花が咲いた」は「美しい / 花が / 咲いた」と3つの文節に分けられますが、「花が」だけではあまりにも漠然としています。そこでどんな花なのかくわしく説明する文節がくっつきます。それが「美しい」です。花は花でも「美しい」花なのです。

こうした他の文節をくわしく説明する役割を果たす文節が修飾語であり、修飾語によってくわしく説明される文節が被修飾語となります

すなわち、「美しい」(修飾語)-「花が」(被修飾語)という関係が成り立ちます。

よくよく考えてみると、「花」という被修飾語にたくさんの修飾語を付ければつけるほど具体的なイメージが湧くようになります。

例えば、「美しい」「夏に咲く」「赤い」「メキシコ原産の」といった修飾語をつけて、「メキシコ原産の夏に咲く赤くて美しい花が咲く」という文を作ると、この花の名前もハッキリしてきそうです。
ですので、修飾語は『限定詞』とも言われます。数あるものが(ここでは「花」)、修飾語を付けることで徐々に具体的なものへと限定されてくるからです。

 

3.並立(対等)の関係

これはそれほど説明の必要がないのかもしれません。
二つの文節のレベルが同等であるという関係です。

例えば、「私は猫か犬を飼いたい」という文があるとしましょう。

「私は / 猫か / 犬を / 飼いたい」と文節分けすると、「猫か」と「犬を」の文節がお互いに同じレベルにあると言えることが分かりますか?
対等な関係にあるので、「猫か」と「犬を」を「犬か」と「猫を」にひっくり返してもまったく問題ありません。

「私は犬か猫を飼いたい」と書き換えても、文意が変わりませんね。
こういう二つの文節が、置き換え可能で対等な関係にあることを「並立(対等)の関係」といいます。

 

4.補助-被補助の関係

ここでも「被」は「~れる・られる」を意味します。すなわち「補助する」-「補助される」の関係ということになります。

ここで重要な役割を果たすのが接続助詞の「て(で)」です。接続助詞については後で助詞の説明をするときにくわしく解説します。今は「動詞と動詞の間にはさまる『て(で)』」くらいに覚えておきましょう。

例を挙げます。
皆さんは「見る」という動詞(動作を表すことば)を知っているはずです。そして「書く」という動詞もご存知でしょう。

では「書いてみる」ということばの意味は分かりますか?

まさか、「手紙などを書いて、そして見る」とは思いませんね。ここでは「ためしに書く」といった意味でしょうか。
実はこの「書いてみる」は1文節ではありません。「書いて / みる」という二つの文節からできています。そしてこの「書いて」と「みる」の文節どうしの関係が補助-被補助の関係なのです。

「書く」という通常の動詞に「みる」という動詞をつけてやることで、「ためしに~する」というニュアンスを付け足しています。決して「見る」のではありません。
あくまで「ためしに~する」という補助的な意味を加えているに過ぎないのです。
この時「みる」は通常の動詞(本来の動詞)ではなく『補助動詞(形式動詞)』と言われます。

「書いて」(被補助)-「みる」(補助)です。どちらが補助しているのかよく考えてください。補助動詞「みる」が「書いて」という動詞に付加的な意味を加えているのです。

ここで私はあえて「みる」を平仮名で書きました。これが正しい書き方です。

補助動詞には漢字を当てるな!

これが鉄則です。作文を書くときに役立つ知識ですので身に着けておきましょう。

 

5.接続-被接続の関係

これまた「被」の登場です。「接続する」と「接続される」の関係にあるということを表します。

接続語とは「原因・理由」などを表し、文(文節)をつなぐ役割を果たします。

例えば、「春なので旅しよう!」という文があるとします。

「春なので / 旅しよう!」と2つの文節に分けられます。
ここで「春なので」という文節は原因・理由を表し、後に続く文節「旅しよう」につながっています。
「修飾-被修飾の関係」と紛らわしいです。「春なので」が「旅しよう」という文節をくわしく説明しているではないか!と言われると反論しづらいのですが、細かいことをいうと、「春なので」の文節には原因・理由を表す接続助詞「ので」が含まれており、その文節は接続の役割を果たすと覚えるのがパーフェクトな理解となります。接続助詞が含まれている文節は接続語となり、それに続く文節と接続-被接続の関係にある、と言えるのです。

接続のしかたにはさまざまなパターンがあるので、次回のブログで取り上げることにします。

文法学習の初期には、きっと戸惑いがあると思いますが心配は無用です。
「接続詞」「接続助詞」「連文節」などの理解が進んでくると、最後にはピタッとはまる感覚を得られます。それまで曖昧さを残しつつ学習を進めましょう。
ポイントは立ち止まらないことです

 

6.独立の関係

独立語は前回のブログで解説しました。他の文節と無関係に、句点「。」を打って文を閉じることができる文節のことです。

例えば、「五月三日、この日は憲法記念日です。」という文は、「五月三日、/ この / 日は / 憲法記念日です。」と4つの文節に分けられます。
「五月三日」はそのまま句点「。」を打って文を閉めることができるので(五月三日。)、独立語です。

この独立語と他の文節とは関わり合いがありません。なので独立の関係といいます。

 

以上、文節間の関係について解説しました。

6つに分類して解説しましたが、特に重要なのは

1.主語-述語の関係

2.修飾-被修飾の関係

4.補助-被補助の関係
の3つです。しっかり理解しましょう。

 

今回も知識の確認のために、問題プリントを用意しました。
是非チャレンジしてみてください。

 

4 文節どうしの関係.pdf - Google ドライブ