ペンギン先生のブログ

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給料アップを勝ち取るために必要なこと

給料アップや待遇改善に必要なものとは

みなさんに質問です。

 

「今の給料に不満だ」「こんな待遇じゃやっていられない」
と思った時、どうやってこの問題を克服しますか?

 

いくつか方法が考えられますね。

1.学歴をつける

2.資格を取る

3.転職する

などなど

 

でも私が思うに、給料アップや待遇改善に最も重要なことが、実は見過ごされがちだと思うんですね。

 

そこで、私が以前同じ会社で働いていたセールス・マネージャーのお話しをしましょう。

 

彼は南部ドイツ出身のドイツ人で、高校を卒業すると2年間の兵役に就きました。
除隊後、大学に進学することなく日系大手繊維会社の欧州支社に入社。セールス担当としてキャリアをスタートさせます。
なぜ彼の経歴について詳しいかというと、彼はIndeed上で自分の経歴をオープンにしているので、いつどこでどんな仕事をしてきたのか、丸裸なのです。

セールスの人は特に、キャリアアップのため転職を繰り返すので、履歴書が華やかになります。彼も例に漏れず数年に一度職を替えてはポジションを確実に上げてきました。

 

そんな彼と同じ会社で働くようになったのは、私が40代前半の頃です。彼は私より4つほど年下でした。
正直言って、頭キレッキレの秀才という感じではなかったです。
陽気でほがらかな性格なのですが、ちょっと「5時から男」タイプの人でした。

私は経理マンなのでずっと事務所にいます。しかし彼はセールス・マネージャーなので、しょっちゅうビジネストリップで海外に出かけていました。

人懐こい性格で、初対面の人から気に入られるタイプ。彼の仕事っぷりは知りませんが人は良かった。

 

でも、他の社員たちから陰でボロクソ言われていました。
その原因が、学歴
大卒資格を持っている万年平社員の女性が「私よりも学歴が低いのにマネージャーだなんて許せない」とか、「兵役しか経験がない人がマネージャーなんて務まるわけない」とか、言いたい放題悪口を言っていました。
たしかに彼は3年ものの職業研修Ausbildungもやっていないし、ギムナジウム(高校)も差して優秀な成績ではなかった(本人談)。
だから大学へは進学しない道を選んだのでしょう。

 

しかし、彼に対する私の評価はまったく異なるものでした。

それは、

彼は自分の売り方を知っている

というもの。

 

彼はおそらく座学がそれほど好きではなかったのでしょう。
なので、高校を卒業後すぐには就職せず、モラトリアムの期間を兵役という形で過ごしたのだと思います。

彼の賢いところは、日系企業に入れば学歴はそれほど問題にならないことを知っていたこと。

この話を聞くと「嘘言え、日本だって学歴社会じゃないか!」と言われるでしょう。
しかし内向きな日本人は、国内では学歴社会バリバリで差別しているのに、英語やドイツ語を話す外国人には妙におとなしいのです。その内弁慶さにビックリするほどです。
そうした日本人の性格をどうやって知ったのか分かりませんが、彼は意図的に日系企業だけを歩んできました。社名は敢えて書きませんが、いずれも日本の一流大企業の欧州支店で、長年正社員として働いてきたのです。

 

それほど高い能力を持っているとは思えない彼が、セールスの一般社員から、ジュニアマネージャーとなり、マネージャーへと昇格し、統括マネージャーとなっていったのです。履歴書を見る限り、まさに順調に出世していました。

 

彼と一緒に働いた期間はたったの2年で幕を閉じました。
なぜかというと、彼はイギリスのコンサルタント系企業からヘッドハンティングされたからです。給料は当時受け取っていた額の倍以上と本人から聞きました。
夢のようなお話ですね💓

彼の話し方や振舞いを見ると、成功するために必要なものが見えてきます。

それは、

 

「どうすれば自分自身を高く売れるか」を知っている

 

という言葉に尽きます。

 

彼と話していると、ネガティブなことは一つも出てきません。どんなに厳しい状況でも常にポジティブであり、どんな人にも嫌な顔一つせずに対処できるのです。

あれだけ陰でボロカスに言う同僚にも、嫌な顔一つせず上手に乗り切っていました。そういう姿をさりげなく周囲に伝えるのが上手かった。

そしてもう一つ、彼の最大の長所が

人懐こい

ところ。

彼は当時家族と離れてケルンに独り暮らししていましたが、週末も繊維系企業やモード系会社の上役さんたちと会食をしていました。
その請求書が経理に回ってくるので、仕事のない日も彼が取引先の人と会食しているのが手に取るように分かりました。

そのことを彼に伝えたら、「交際費で落とすなってこと?」とちょっと不安そうな顔をして尋ねてきたので、「〇〇ってモード系の大企業でしょ。相手はそのセールス担当役員なんですよね?ならばもっと良いお店に招待してあげたら?」と返したら驚いた表情をして、それからいろいろな話をしてくれるようになりました。

私は交際費について、取引を拡大するための飲食代ならば大いに使ったらいい、というスタンスです。
ドイツにある日系企業には、取引先企業の日本人と接待の順番制負担にして会社のカネで飲み食いしている人が山といる。まさか私がそのことを知らずに経費処理しているとはだれも思いますまい。
こういうカネのけち臭い使い方をしているから、部下から尊敬されないのです。
私は能力はともかくも、このセールスマネージャーのことが好きでした。
そして彼は交友関係を確実に広げており、その中の一社からヘッドハンティングを受けたのです。

 

いいですか、出世に最も必要なのは学歴とか資格とかではないと思います。
これらは確かに持っておいて損がない。しかし、一番大切なのは自分の売り方を知るということ。それはすなわち、自己分析がよくできているということです。
彼は社交的で、身内以外の人とも気さくに会食を楽しめる性格でした。そこで相手の話に耳を傾け信頼関係を築いていきました。
自分の社交性・人間好きな性格を前面に出して、キャリアアップの転職を繰り返してきたのだと思います。

 

日本人は控え目な人が多く、自分の強みを語るよりも弱さに目を向けがち。

「私にはそんな大役は荷が重すぎる」とか「〇〇は多少できます」とか、自分から自分を下に見せてしまうことが多い。日本では美徳なのかもしれませんが、ヨーロッパでは完全に損です。自分の弱みにはあえて触れず、強みや得意なものを前面に押し出して好待遇を勝ち取っています。

 

今の職場に不満がある、今の待遇に納得がいかないという人がいたら、私はぜひ伺いたい。
あなたにはどんな強みがあるのか?

と。

胸を張って語れる強みがあるなら、その強みをどうやったら上手に売り込むことができるかを戦略的に考えるべきです。

現状に愚痴を言っても始まらない。自分を大いに売り込んで好待遇を勝ち取りましょう。