ペンギン先生のブログ

個人レッスンプロ ペンギン先生の「学び」ブログ

生成系AIの脅威を感じる

事務職の多くはAIに代替されると予想される

前回のブログでは、これまでの人材採用方式、学歴主義では10年後に行き詰ると書きました。

なぜそう思うのか実体験に基づいて書いていきます。

私は現在、日系でもドイツ系でもない外国企業で経理マンをしています。
基本的にどんな経理(買掛金・売掛金・固定資産・給与計算)でもできますが、現在の職務は買掛金の経理全般です。
現在の勤め先はAI搭載のロボットを製造販売しているメーカーですが、ここ数年ものすごい勢いで成長を続け、毎年前年比で20%程度売り上げを伸ばしている新興企業です。
セールスやマーケティング部門は売り上げによるインセンティブが与えられているので、職員のモティベーションは非常に高く、若い社員が多いのも相まって活気ある雰囲気に包まれています。

ただ、私のような事務職は売り上げに直接貢献していないので、業績がボーナスなどにそれほど反映されません。
また、経理職の方なら分かると思うのですが、「経理は大したことをやっていない。ただ請求書を記帳しているだけ」と思われがちで、社内で尊敬もされません。

私にとって会計の仕事は給料を得る手段であり、残りの時間を個人レッスンに当てるためのものなので大して気になりません。
自分の信念に基づいたレッスンを続けるためには全面的に個人指導を収入源にしない方がよいとの結論に至り、現在二足の草鞋生活をを続けています。

さて、経理職員としてリスペクトされない状況や、インセンティブに乏しい給与待遇に不満を抱いていたトルコ人の同僚がいきなり会社を辞めました。

私が買掛金サイドの会計を担当しているのに対し、彼が売掛金サイドの経理を担当していました。
当然職員が一人減ったので、新たに一人、売掛金担当の職員が補充されると信じていました。ところが一向に人探ししている気配が感じられない。
上司に尋ねたところ「現状のままやっていくらしい」との返事を聞いて耳を疑いました。これまでも経理は3人でいっぱい一杯の状態でやってきたのに、このまま2人でやっていく???と。
本社の人間を一人経理に回す案もあったようですが、本国とドイツでは税制や会計の制度が違うので、思うように記帳もできません。当たり前といえば当たり前のこと。
結局このアイディアも一週間で消えていきました。そして、その後誰も補充されていません。

では本社はこれまで一体なにをやっていたのかというと、AIで業務を代替させようと密かに試行錯誤が続けられていたことに私は気付いたのです。

私の勤める会社には独自のAI技術があり、ソフトも従業員に解放されています。本国で使われている言葉が私には理解できないので、英語に訳して使わなければならず、これが私には上手く使いこなせない。
しかし、本社ではAI活用研修会が毎週のように開かれており、今後は世界的に拡大する事業にAIを投入することが示唆されているのです。

もうお分かりかと思います。私の働く会社では、今後事務職は駆逐されます。私のクビが跳ぶのも時間の問題でしょう。
今の時点では売掛金サイドの業務、しかも本国から離れたドイツ支店の業務をAIで代替させることには失敗しましたが、近い将来、それもさほど遠くない将来、事務職はAIに取って代わられます。心の準備をし、来るべき時期にジタバタしないよう対策を施さねばなりません。

会社の仕事に真面目に取り組み、100%奉仕するような態度ではいけないのです。
自分なりにAIが事務職を駆逐していく時代に合わせて必要となる知識なり、働き方なりを身に付けないと、アッという間にお払い箱になります。

こういう危機感に乏しいホワイトカラーの人があまりに多くて驚きます。
私は現在53歳。60歳でサラリーマン生活を終わりにしたいと考えて行動していますが、残りあと7年でも危機感は半端ないです。それなのに、30代・40代のホワイトカラーが「大手企業で地道に努力していれば生涯安泰だ」なんて、どこをどう考えたらそうなるのかサッパリ分からない。

今日からでも危機感を抱いて新たなことを学び始め、しかるべき大量解雇時代に備えなければなりません。

私が「偏差値を1や2引き上げて志望校のランクアップを図ろうと努力することにどれほどの意味があるのか?」と書いた意味が分かっていただけたかと思います。

「私は中年だから最新の技術のことは分からない」なんて言い訳にならない時代がもうすぐそこに迫っています。
実際に姿を現した時点で慌ててもすでに手遅れです。
危機感を抱いたら今すぐ行動あるのみです。