ペンギン先生のブログ

個人レッスンプロ ペンギン先生の「学び」ブログ

学歴は必要か

偏差値重視のままで良いのでしょうか?

20年以上学生さんの学習指導にあたってきた者にとって、『学歴は必要か』との問には必ず向き合わなければなりません。
進学校にとどまらず予備校や学習塾も進学実績を大々的に公表しており、どんなに熱心に指導しても結果が出ないと良い評判に結びつかないという現実があります。

私も例に漏れず、自分が指導した生徒さんの合格した学校名を紹介しています。

結論から書きます。「今も学歴は必要か?」との問いに対する私の答えは「Yes」です。

毎年発表される就職希望企業ランキングをネットで検索してみました。
調査主体や調査方法で結果が変わりますが、上位100社に名を連ねる会社に大きな違いはありません。
例えば、総合商社やメガバンク、広告代理店、自動車会社や大手家電メーカー、それに通信系会社や企業など、最近のトレンドを反映してはいますが、上位にあがる企業名に順位の違いこそあれ、私が就職活動をした30年前から人気のある会社ばかりです。

就職先として人気企業の顔ぶれ
総合商社 三菱商事
  伊藤忠商事
  住友商事
  三井物産
メガバンク 三菱UFJ銀行
  三井住友銀行
  みずほファイナンシャル
広告代理店 電通
  博報堂
自動車メーカー トヨタ
  ホンダ
家電メーカー 三菱電機
  パナソニック
  富士通
  NEC
通信 NTTデータ
  NTTドコモ
  KDDI
エンターテインメント ソニーグループ
  任天堂
  コナミ

そしてこういう大企業に就職するために学歴がものを言うのは事実です。
OB・OG訪問をする際、やはり大学の先輩方がたくさんその会社に就職していれば、採用に優位であることを否定できません。

「いやいや、近年はIT企業など学歴ではなくスキル重視、発想力や行動力重視の会社もあるじゃないか」という指摘もあるでしょう。
私はそれも事実だと思います。いわゆる学校で学ぶ座学の優秀さだけで成功は図れない、という考えに私も賛成します。

ただ、、、私が就職活動をした1995年当時と比べて時代が大きく変わったにも関わらず、就職戦線に劇的な違いがあるとは思えないのです。といいますか、就職活動の進め方・従業員の採用の仕方になんらの進歩も無いように感じられます。
エントリーシートを書いて希望する会社に送り、OB・OGを訪問して情報収集&コネづくりに精を出し、面接を複数回受けて自己アピールし、内定を勝ち取る。
時代が変わったのだから、採用の仕方も変わっていいくらいに私は思いますけど…

就職希望企業ランキングを見ても「多くの人は有名大企業に勤めることで、安定した職場と給料、そして待遇を望んでいるのだな」と思います。
そうなると、従来型の就職活動から大きな変化がなくなる。つまり、学歴は相変わらずものを言うということです。

では「この状況は永遠に変わらないのか?」との問いに対しては、日本の就職活動はこの先10年は変わらないだろう、と見ています。

その理由はなにかというと、
現在の人事部長レベルの役職を私(現在53歳)と同じか、私より上の世代が務めているので、この年齢層が会社を卒業するまでは変わらないと予想しているのです。

生成系AIの登場で働き方や暮らしぶりが劇的に変わると予想しますが、日本はいい意味でも悪い意味でも変化が緩やかなので、就職事情に急激な変化は起こらないだろうと予想しています。

では「この後の10年が相変わらずの就職活動でいいのか?」という問いに対しては、はっきりダメだと思います。

今現在も日本は総ジリ貧化状態なのに、旧態依然の就活なんてやっていたら10年後すごいことになっているでしょう。それは良い意味ではなく、まったく逆のとんでもなく悪い意味で、です。

現在、Chat-GPTを有効活用したくてもプロンプトが上手く操れないので、「思ったほど使えない」「AIの進歩も大したことないな」と思っている人が多い。
私の予想では、1年半後には生成系AIが今からは考えられないくらい飛躍的進化を遂げ、人間の働き方・暮らし方に想像もつかないレベルで大きな影響を及ぼすと見ています。
のんびりしている人間は一年半後、自分が会社から必要のない従業員認定され斬り捨てられる現実に直面するはず。

今すべきは準備です。

大量の人間が職を失うかどうかは分かりませんが、「もはや会社の業績向上に寄与しない従業員」と認定される人は数多く出てきます。そうならない人間として生き残るために必要なことは、偏差値を1や2上げて志望校のランクを引き上げることではないと思うのです。

ではなにが必要なのか?

次回のブログではこの点について書いてみようと思います。