【目次】
・接続語・接続部を見つける・見分けるのはむずかしい
・接続の仕方には何種類あるの?
・接続の種類を一つ一つ解説
文節分けをする際に見落としがちなのが接続語・接続部です。
たとえば、
雨降りなので、今日は家で過ごそう!
という文を取り上げると、「雨降りなので / 今日は / 家で / 過ごそう」と正しく文節分けできるのに、文節のはたらきを尋ねると「雨降りなので」が修飾語になってしまう。
たしかに「雨降りなので」➡「過ごそう」の修飾-被修飾の関係が成り立っているようにも見えます。
しかし、この文では「雨降り」が原因となって、外出などせず家で過ごそう!という当然の結果(帰結)が提示されており、接続-被接続の関係が成り立っているのです。
こうした接続語(部)の正しい理解をするためには、接続のしかたの種類とその用法をマスターしなければなりません。
そこで、今回は『接続のしかた』に焦点を当てて記事を書くことにします。
〔接続のしかたを学ぶ意義〕
接続語・接続部は前の文と後ろのブントをつなぐはたらきをします。
こうした語句があると、次につづく表現が予想できます。文章読解を考えた時、論理の展開が読めるというのはとても大切なことです。逆に考えると、接続語・接続部の使い方を誤ると読み手に正しく理解されない論理展開となってしまいます。
なぜ国語の文章読解問題に正しい接続詞を選ぶ設問があるのか、もうお分かりですね。
質問者は読み手が正しく文章を読み解いているのかを、正しい接続詞を選べるかどうかで試しているのです。
〔接続のしかたの種類〕
おおまかに分類する方法と細かく分ける方法とがありますが、私は以下の10種類に分類します。これくらいなら覚えられそうですね。
1.順接
2.逆接
3.並列・並立
4.添加・累加
5.選択・対比
6.理由説明
7.補足説明
8.換言・要約
9.例示・比喩
10.話題転換
〔接続のしかた:各論〕
では、接続のしかたの種類を一つ一つ解説していきます。
1.順接:原因や理由となる事柄があり、それによる当然の帰結がつづくことを表す。
➡ (例)だから、なので、したがって、すると
2.逆接:1.の反対で、前の事柄と後の事柄とが反対あるいは対の関係になることを表す。
➡ (例)しかし、だが、でも、けれども
3.並列・並立:対等な関係にあるものを列挙する場合に用いられる。
➡ (例)また、ならびに、および、かつ
4.添加・累加:前の事がらに後の事がらを付け加える場合に用いられる。
➡ (例)さらに、そのうえ、しかも、そして、おまけに
5.選択・対比:複数のものから選び取る場合、あるいは複数のものを比べる場合に用いられる。
➡ (例)あるいは、または、もしくは、それとも
6.理由説明:前に述べた事柄に後から理由を説明するときに用いられる。
➡ (例)なぜなら、というのは、なぜかというと
7.補足説明:前に述べた事柄に後から補足的な説明をする場合に用いられる。
➡ (例)ただし、なお、尤も(もっとも)、ちなみに
8.換言・要約:前に述べた事柄をまとめたり・言い換えたりするときに用いられる。
➡ (例)つまり、すなわち、いわば、要するに、まとめると
9.例示・比喩:むずかしい用語などを使った表現の後に、それを分かり易く説明するための例を挙げたり、たとえを用いて理解を促したりする場合に用いられる。
➡ (例)たとえば、いわば、たとえると
10.話題転換:これまでの話の流れとは打って変わって、別の話題に振り向けるときに用いられる。
➡ (例)では、ところで、さて
〔まとめ〕
以上の接続語(部)を押さえておけば、「修飾-被修飾の関係」と「接続-被接続の関係」とで混乱することがなくなります。
要するに「くわしく説明する」のではなく、「前後の関係やつながり」を表しているのです。ここをしっかり押さえましょう。
いつものように問題プリントを用意しました。知識の定着度を確認するのにお役立てください。
6 接続語の種類(タイプ1).pdf - Google ドライブ
6 接続語の種類(タイプ2).pdf - Google ドライブ