今回は接続詞について解説します。
いつものように接続詞の定義から始めましょう。
接続詞とは、自立語で活用がなく、それを含む文節が接続語になる単語のことをいう。
一般的には文と文をつなぐはたらきをしますが、他にも単語と単語、文節と文節をつなぐこともあります。日本語の文章をスムーズに読めるようにしてくれる、大事な役目を持っています。
レッスン08 接続語の種類の解説で登場した10個の種類分けがここでも成立します。
すなわち、
1.順接
2.逆接
3.並列・並立
4.添加・累加
5.選択・対比
6.理由説明
7.補足説明
8.換言・要約
9.例示・比喩
10.話題転換
です。
よい機会なので、復習しましょう。
以下に接続詞の用法と具体例、そして例文を示します。
① 順接:「だから」「なので」「したがって」など
→ 前の文を受けて、当然の結果を言うときに使います。
【例文】
・今日は朝から雨が降っている。だから、傘を持って行こう。
・康介くんは必死にテスト勉強をした。なので、クラスで一番の高得点を叩き出した。
👉 ポイント:「AだからB」という流れ
② 逆接:「しかし」「だが」「けれども」など
→ 前の文と反対の内容を言うときに使います。
【例文】
・私たちのチームは練習をたくさんした。しかし、試合には負けてしまった。
・ひとみさんは毎日テスト勉強をした。だが、テストで一番にはなれなかった。
👉 ポイント:うまくいかないときなどに用いる
③ 並立・並列:「また」「および」など
→ 同じレベルの内容を並べるときに使います。
【例文】
・私はサッカーが好きだ。また、バスケットボールも好きだ。
・机の上にはノートおよび参考書が置いてあった。
👉 ポイント:「〇〇と△△、どっちもだよ!」という並べ方
④ 添加・累加:「さらに」「そのうえ」「しかも」など
→ 前の文に追加で何かを言いたいときに使います。
【例文】
・この本は面白い。さらに、挿絵もきれいだ。
・彼は足が速い。そのうえ、泳ぎも得意だ。
👉 ポイント:「まだあるよ!」というときに用いる
⑤ 選択・対比:「それとも」「あるいは」「または」など
→ どちらかを選ぶときや、比べるときに使います。
【例文】
・コーヒーを飲みますか?それとも紅茶を飲みますか?
・電車で行くか、あるいはバスで行くか迷っている。
👉 ポイント:「どっちにする?」と尋ねるときに用いる
⑥ 理由説明:「というのも」「なぜなら」など
→ 前の文の理由やわけを説明するときに使います。
【例文】
・今夜は早く寝ます。というのも、明日大事な試合があるからだ。
・隆くんは先週末学校を休んだ。なぜなら、熱があったからだ。
👉 ポイント:「どうして?」の答えを言うときに用いる
⑦ 補足説明:「なお」「ただし」など
→ 前の文にちょっとした説明や注意を付け加えるときに使います。
【例文】
・明日は遠足です。なお、雨の場合は中止します。
・ゲームをしてもいい。ただし、宿題が終わってからね。
👉 ポイント:あとから注意や追加説明をするときに用いる
⑧ 例示:「たとえば」など
→ 前の文をわかりやすくするために例を出すときに使います。
【例文】
・日本にはたくさんの山があります。たとえば、富士山や阿蘇山です。
👉 ポイント:「これが例だよ」と示すときに用いる
⑨ 換言:「すなわち」「つまり」など
→ 前の文を別の言い方で言いかえるときに使います。
【例文】
・彼は英語とフランス語を話せる。すなわち、マルチリンガルだ。
・この薬はよく効きます。つまり、早く治るということです。
👉 ポイント:「簡単に言うとこう」というサイン!
⑩ 話題転換:「さて」「ところで」など
→ 新しい話題にうつるときに使います。
【例文】
・家の掃除が終わりました。さて、次は買い物に行こう。
・運動会の話をしました。ところで、来月の遠足はどこに行くの?
👉 ポイント:話を「チェンジ」するときに用いる
文法の知識を問う問題に接続詞が登場することはまずありません。接続詞は文章読解力を問う場合、文と文ないしは段落と段落を結ぶ適切な接続詞を選ぶ問題としてしばしば登場します。
最適な接続詞を選ぶ穴埋め問題を解いたことのある人がほとんどでしょう。
ということで、文法事項の解説としての接続詞は以上の解説を理解するだけで十分です。
ではいつものように、最後は問題演習プリントを配布しますので、知識の定着度を確認してみましょう!
接続詞の問題プリント
Youtube動画による解説はこちら ☟
(接続詞の種類に『並立・並列』が入っていません。加えて覚えておいてください)